5.遺産の承継者の決定

5.遺産の承継者の決定

5.遺産の承継者の決定

分割当事者と対象財産が判明したら、誰がどの財産を承継していくかを決めます。
この話し合いのことを遺産分割協議といいます。
遺産分割には三つ方法があります。細かく見てみましょう。
また遺産分割協議を行う方法以外にも相続分を譲渡したり相続放棄をすることにより、遺産の帰属先が決定します。

遺産分割協議の方法

遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。(民法第906条)
権利として主張できるのは法定相続分までですが、当事者が納得するのであれば、誰か一人がすべての財産を相続することも可能です。

1.現物分割

土地建物は妻、株式は長男、預金は長女に相続させる、という内容の分割方法です。
被相続人が所有していたものを個々に誰が何を相続するかを決めます。
原則的な分割方法です。共同所有もできます。

2.代償分割

土地建物は妻が取得する代わりに、その代償として取得者が他の相続人に自分自身の財産を給付する、といった分割方法です。
不動産等の分割しづらい財産を誰か一人が承継し、取得者に資産があるならば他の相続人には金銭等を支払い、互いに合意する方法です。

3.換価分割

被相続人が所有していた財産をお金に換えて相続人に分配する方法です。
現物分割でも代償分割でも合意に至らない状況の場合に検討されます。
遺産を換価する必要があるので、実際に相続人が金銭を手にするまでに時間がかかったり、売却する際に費用が発生したりします。
ただ金銭に換えることにより、相続人間できっちりと分割できます。

 

1〜3を組み合わせて分割することは出来ます。
決定した内容に基づき遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書とは

相続分の譲渡

相続人がA、B、Cの場合にAが自分の相続分をBに譲渡することも出来ます。
無償でも有償でもかまいません。
譲り受けた相続人は譲渡された分の相続分が増加します。
譲渡した相続人は譲渡した分だけ相続分が減ります。
相続分を全て譲渡した相続人は相続人としての地位を失いますので、遺産分割協議には参加出来ません。

相続分譲渡証書とは

相続放棄、限定承認

財産調査の結果、負債が多くい場合や何かしらの理由で遺産相続したくない場合に検討されます。
相続放棄をした場合には、完全に相続人ではなくなります。
プラスの財産も相続できませんが、マイナスの財産も相続しなくて済むのです。
限定承認は相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をする方法です。
すべての債務の責任を負うわけではなく、プラスの財産の範囲において、債務を弁済する責任を負います。
限定承認は相続人全員で行う必要があります。
また限定承認も相続放棄も自己の為に相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

 

相続放棄をした効果として、相続放棄をした相続人が相続人でなくなるのと合わせて、相続分が増加する相続人が出ます。
同順位の相続人が全員相続放棄した場合には、次順位に相続権が移ります。

 

相続放棄とは

限定承認とは