改正後民法968条2項により、全文自書の自筆証書遺言の作成方式が緩和されました。
財産の目録についてはワープロ等での作成が認められます。
2019年1月13日から施行です。
改正後民法(自筆証書遺言)
第968条
1 自筆証書遺言によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全文又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書に因らない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
改正前民法968条では全文自書が必要でした。
不動産を遺言に記載するときは、土地であれば所在、地番、地目、地積を記載し、建物であれば所在、家屋番号、種類、構造、床面積等の情報を書くのが一般的です。登記情報を確認し、転記するのですが手書きではちょっと大変です。間違えの無いようにしなければいけませんし。
緩和された方法で作成する場合、遺産の一覧をワープロ等で作成します。
遺産には番号等を遺産毎に振ります。
例)
遺産目録
1 土地
所在 〇〇市○○区○○丁目
地番 ○○番○
地目 宅地
地積 100平方メートル
2 建物
所在 〇〇市○○区○○丁目
家屋番号 ○○番○
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階60平方メートル
2階40平方メートル
3 預貯金
○○銀行○○支店 普通預金 口座番号○○○○○○○
氏名 印
このような感じで財産の一覧を作ります。
署名押印するスペースも確保します。
そして重要な本文の部分は自書で作成します。
本文例)※全文自書
遺言書
私は別紙目録記載の1及び2の土地及び建物を妻○○○子(昭和○○年○月○日生)に相続させます。
別紙目録記載3の遺産は長男○○○男(平成○年○月○日生)に相続させます。
目録に記載のない私所有の財産は長女○○◇子(平成○年○月○日生)にすべて相続させます。
平成31年1月14日 〇〇市○○区○○丁目○○番○
遺言者 ○○○夫 印